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引用:ルックバック単行本
ルックバックの表現に対しての一部修正がぼちぼちバズっておりますね。
感想⑤がなかなか手につかなかったことの言い訳でもあるのですが、
この手の話題ってどうして古今東西いつまでたってもこのようになるのでしょうか。
せっかくの良作がこれだけのことで作風のパンチが随分と弱くなってしまったように思えますし、
しかしながら話題には事欠かないタツキ先生の作品として満足でもある私。
かくいう私、ここで暴露をしますが20台前半で統合失調症を患った経験があります。
今シーンで登場する修正前の犯人は、確かに統合失調症っぽい言動でしたが、
リアルに病状を経験し完治した者からするとどのように感じ捉えるのかも共有します。
さてそれではストーリーを振返り考察していきたいと思います。
時空を超えてパラレルワールドで再度出会うふたりの描写、素敵な構成です。
違う世界のふたりの歩みと出会い
出会わなかったふたり
ドアの底の隙間からどういうわけか時空間が捻じ曲がった模様。
藤野がビリビリと破いた4コマ漫画の一コマ目だけがあの時の京本に届きます。
一コマ目だけだと大ファンである漫画家の作品とは気づかないものなのでしょうか。
過去にあった「ゴトっ」という物音が今回はしなかったので、藤野はそのまま家を出ることに。
インターホンが鳴る前後での、ドアの隙間から入ってくる漫画のほんの少しの時間差により
京本の未来が変わることになりました。
藤野と出会うことなく独りで黙々と絵を描き続ける京本。
修正前の表現
京本は独りでもちゃんと美大生になっており、成長を遂げています。
ここからがタイムループ前には無かった京本が殺されるはずだったシーンです。
タツキ先生お得意の細かい時系列でのストーリー展開。この表現大好き。笑
抜粋するとたったのこれだけの表現(以下画像)。修正後は今でも無料で観れますのでどうぞ。
う〜ん、ただの興奮して冷静じゃない人、なんですが笑。
ハッキリ言って風邪をひいてるのと同じ状態である精神がやられてる人には
ここまでアグレッシブな行動はできません。だって、しんどいんだもの。無理無理。笑
まあ、変な行動をしてしまうのは急性期にはあることです。
私もまた別記事であげようと思いますが、走行中の新幹線を中から止めようとして
知らないおじさんの「それはやめとけ」に「ハイッッッ」と言ったのをハッキリ覚えてます。笑
6年ズレた出会い
危険なおじさんに対して真っ向勝負を挑む藤野。おそらくずっと空手を続けていたのでしょう。
跳び蹴りから〜の背中から落ち〜の笑、で正拳突き。
この戦いによって足を折った藤野は救急車で運ばれることになります。
あの時、時空間が歪んだことによりふたりの出会いがここまでずれ込むことになりました。
携帯の名前を見ただけで藤野先生と言い当てる京本。
小学校6年時のドモリまくっていた頃と比べて、とってもきちんと挨拶できています。
人の成長と可能性は素晴らしいものですね〜。笑
アシスタントになってね!
最近また漫画を描き始めたという藤野。藤野もまた色々とあったのでしょう。
連載できたらアシスタントになってね!・・・ん?この子を誰とも知らないはずなのに?
そもそも藤野はどうしてこの美大に居たのでしょうか。
藤野の言葉に喜ぶ京本。目に涙を浮かべて微笑む京本が可愛らしいですね。
小学生時代に多大な影響を受けた藤野の4コマ漫画。
学年新聞を切り抜いてファイリングしたものを読み返す京本。
白紙の4コマ漫画の原稿に、思いつきで漫画を書き出す京本。
この漫画の内容が、この世界がただの藤野の妄想ではないことを裏付けています。
まとめ
本シーンのラストで、京本が書いた4コマ漫画は再び藤野の時間へと繋がります。
京本が生前に描いた4コマ漫画が開いた窓から吹いた風で飛んでドアの底から出てくる、
という描写ですが、漫画の内容が明らかに時空を超えています。
ここで、あの時ふたりが出会わなかったことにより死ぬことにならなかった京本の世界を
示唆することで、読者になんだかホッとする謎の安心感を与えてくれるタツキ先生。
流石すぎるストーリー展開に脱帽です。
途中の振り返りでも書きましたが、この犯人像に対してクレームを言った方が
相当苦しい立場におられる方なのか、またはその身辺の方なのかは分かりませんが、
純粋に漫画のファンとしては残念な修正であったと言わざるをえません。
そして、統合失調症を筆頭に精神疾患にあたる方々は、それを経験したことがない方には
到底わからない「しんどさ」とそこに至るまでのそれぞれの原因があります。
タツキ先生の作風は確かに刺激的で愉快犯的なものを感じることもありますが、
それでもイタズラに人のことを傷つけるような意図は私には全く感じられません。
むしろ先生自体がなかなか病んでいらっしゃるようにも見えますし。。。笑
次回感想⑥でルックバックの締めとなります。本作、修正前に戻らないかな。
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