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ルックバック感想!夢中と挫折、漫画で繋がる藤野と京本

マンガの感想

藤本タツキ先生待望の新作読切「ルックバック」。143Pの大長編です。

公開後の記録や数々の評論については他ブログですでにたくさん紹介されているので、定量データ系にご興味がある方にはこちらの記事は用無しかと思います。こちらはタツキ先生の大ファンである私が好きなようにシーンを切り取って好きなようにご紹介する超自己満足記事でございます。

大ファンとは言っても実はタツキ先生の作品との出会いは、かの有名なチェンソーマンが初でありしかも第5話ぐらいまではジャンプでも素通しするぐらいのものでした。それが今や、私のとってのタツキ先生は好きな漫画家TOP3に入りあの荒木飛呂彦先生と同格にまでなってしまっているのです。

私も映画が好きだったり、ちょいとダークでシュール系のギャグや間が好みだったり、女性像の好みや各キャラの能力の具合、主人公のヒーロー感、ちょっと(?)狂気的な演出など、、どこをとっても価値観フルシェイクな漫画家が私のとってのタツキ先生です。

さて、大長編であるルックバックに関しては6回に分けてシーンごとの感想と考察をしていきたいと思います。それでは振り返っていきましょう。

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夢中と挫折

4コマ漫画のフィールド

主人公の藤野歩(キョウはペンネーム)は物語のスタート時点では小学4年生の明朗活発な女の子。漫画を描くのが得意で学年新聞の4コマ漫画を毎月作成しています。

スポーツも万能で友達も自然と周りに集まってくる有能感が強いタイプの子どもだった藤野。ふとした時に担任に呼び出され京本の存在を知ります。

自身のフィールド(学年新聞の4コマ漫画)に立ち入られることが気に入らなかったのでしょう。会ったことも名前さえも知らなかった京本に初っ端は敵意を感じています。

このシーン、この表情イイですね〜。自身の有能度を疑うこともなく、恥をかく相手の想像しかできていない藤野。シロウト呼ばわりしている藤野の負けフラグ感が秀逸に描かれています。笑

敗北が次なる行動へ

そして次の学年新聞に京本の4コマ漫画が載ることになります。ストーリーも何もない、しかし卓越した画力で描かれる放課後の風景画。その画力に驚きが顔前面に出る藤野。前のコマとの表情の差が面白すぎます。笑

藤野が描く4コマ漫画、コレめちゃくちゃ面白いですよね笑。しかし、単純に画力だけを比較すると京本とは大人と子どもほどの差があり、周りの友達にもそれを無邪気に指摘される藤野。

今まで漫画において絶対的にちやほやされ続けてきた藤野は、自身の目で圧倒的な実力の差を見ることで敗北感を感じています。絵が上手いことに誇りをもっていたのですね。

そして、そのプライドは藤野をさらに向上させることになります。この負けん気、悔しさをバネに変えて努力をする藤野に私は見習う姿勢を持たなくてはなりません。笑

努力と孤独

敗北を味わった藤野は本を買い勉強し、漫画を上達させることに没頭していきます。春夏秋冬、年がら年中漫画を描く日々。学校でも家でも、ひとりで黙々と絵を描き続ける藤野。

残念ながら、努力をする藤野を応援してくれる人は周りにひとりも居ませんでした。学校ではクラスメイトに漫画を描くのはオタクだと思われキモがられる、とまで言われてしまいます。

漫画を描くことに夢中になっている藤野にとっては意表を突かれる言葉でした。自分が純粋に好きで成長するためにやっていることをキモがられるとまで言われる。小学生の女子にとってこれほど心に刺さる言葉もないのではないでしょうか。

学校だけでなく家でも藤野の応援者は居ませんでした。親も姉も傍観するのみで、否定はしませんが決して応援はしません。しかし、世の親のほとんどが同じ行動を取るのではないでしょうか。いえ、まだ止めようとしない藤野の親は寛容かもしれません。

挫折からの日常

時を経て、成長したふたりの4コマ漫画。藤野の画力は確実に上がっており内容も相変わらずセンス溢れるもの。いや、タツキ先生のシュールさが藤野に乗り移っていて素晴らしい出来です笑。

しかし、藤野の目に映るのは京本が描いた背景画。相変わらず漫画としてのストーリーなどまったくありませんが、大人が描いた画としか思えないものがそこに描かれています。

「や〜めた・・・」とひとりつぶやく藤野。これまでの張り詰めた意識が一瞬で切れた瞬間でした。友達を遊びに誘い、漫画オンリーの日常から一気に自身を解放した藤野。

これまでなかった家族と一緒に仲良くTVを観るシーン。確かにパッと見はこちらのほうが幸せそうに見えますね。部屋に積まれたスケッチブックをおかあさんに捨てといてと頼む藤野。そこからハラリと落ちる4コマ漫画。この4コマ漫画がルックバックという物語の鍵を握ることになります。

ルックバックは、漫画を通じて藤野と京本の時空を超えた繋がりを映す、タツキ先生らしい映画のような構成で進んでいくストーリーです。


まとめ

感想①では藤野の小学4年から小学6年までの期間を抜粋し取り上げました。

4コマ漫画で京本を知ることになり、実力の差を目の当たりにし、漫画に夢中になる小学校高学年の藤野を描いたシーン。一般的大多数ではないその時間の過ごし方に周囲は協力的ではないことを秀逸に映していると思います。野球とかだとフツーなのに、漫画だとやっぱまだまだ時代が変わってもポジティヴな印象は薄いんですよね。女の子ときたら尚更、というのが現実でしょう。

しかし、藤野はクラスメイトや家族の言葉には左右されることなく漫画を描き続けます。この時の動機は、漫画が上手くなりたいから。友達や家族との時間を割いてでも藤野は漫画を描き続けました。しかし、本シーンの最後に藤野は漫画を諦めます。自身でも納得できるほどの努力をしてきたからこその諦めと挫折。そこにはさらに自身を遥かに超える成長を重ねており、藤野がどれだけ努力をしても追いつくことができない京本の存在があったのです。

次回、藤野と京本の出会いから、藤野の漫画を描く真の動機が芽生えてきます。次回に続く。

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