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引用:ルックバック単行本
ルックバックの反響がすごいですね〜。読切としては異例の長編ながら、質が異様に高くてタツキ先生らしさも随所に光るこの作品。昔の尖ってて少数のみに理解してもらえたらそれでいいと言わんばかりの作風も大好きでしたが、今のある意味大人になった漫画も私は大好きです。
前シーンでは主人公の藤野と京本が出会い、まさにお互いの人生を変えるきっかけとなりました。4コマ漫画で繋がっていたふたりは、出会いも4コマ漫画あってこそであり、今後の展開もそれにより変化していく事になります。
私が思うにタツキ先生の卓越した漫画力のひとつに、キャラ描写が挙げられると思っています。どこか中性的でいわゆるユニセックスキャラを描くのがとても上手な先生は、今作も藤野を彼氏、京本を彼女と見立てたようで、まるでふたりの女性がカップルのようにストーリーは進んでいきます。
小学生最期の日にふたりは出会い、藤野の描く新作漫画を京本に最初に読ませることを約束しお互いが「またね」と言って別れます。漫画を諦めていた藤野はそのことを体全体で喜び、再度漫画に没頭する事になりました。
中学生になったふたりの物語はどのように進んでいくのでしょう。振り返りに入ります。
中学・高校時代を経て
中学生になって
中学生になった藤野はあの時と同じく学校でも絵を描く毎日を過ごしていました。時計の針はお昼休憩の12:50。こんな時も藤野はひとり黙々と絵を描いています。
「ただいま」と家に帰る藤野。制服を着て少し背が伸びたように見えますが、たったの数ページで藤野の成長を感じさせる人物の成長の描き方に感銘を受けるばかり。
しかし、藤野と京本のやっていることは世間的にはとてもマニアック。京本に至っては学校にもいかずにひたすら絵を描き続けるという非日常な毎日です。
小学生時代はふたりとも独りだった漫画を描く時間。今は、ふたりでの時間となっています。これはどれほど心強いことか、世の漫画家志望の若者にとって羨ましい情景ではないでしょうか。
準入選
完成した読切作品をふたりで集英社に持ち込み、賞に作品を出そうとしています。作品に1年以上費やしたというのとこの服装から、中学2年生の秋でしょうか。京本は怖くてずっと下を向いていますが、藤野は元々が活発で社交的な性格なので非常に堂々としていますね。
そして、ふたりにとって初の共同作品「メタルパレード」の賞の結果が出る週刊誌をおそらく真冬で雪の積もった明け方でしょう。最速で確認するためにコンビニへと向かうふたり。
京本の手を引っ張って歩く藤野がやはりお姉さんというより彼氏っぽくて良いです。笑
晴れて準入選に選ばれたふたりの作品。1年半をかけてふたりで作った45ページの漫画が世に認められることになりました。平均すると1ヶ月に2.5ページ、ホントどんだけ大変なんでしょうかね、漫画を作るのって。
町へ行こう
「じゃん」とふたりでお金を見せ合う姿が微笑ましい笑。賞で獲得したお金を喜び合うふたり。京本に普通にお母さんがいるのもなんだか安心感が持てます。笑
「おうち買えちゃうよ・・」と京本。学校行ってないですからね、一般常識がないのはご愛嬌ですがいろいろと心配になります笑。そして活発な藤野はおろしてきた10万円でパアッと町に遊びに行こうと京本を誘います。
本当は人が多い町に行くのは怖い京本ですが、藤野と居ると自然と勇気が湧くのでしょう。ワクワク感と藤野がいる安心感から、誘いを受けて町へ遊びに出かける了承をしました。
人通りの多い横断歩道を渡るふたり。クレープを食べて、映画を観て、ハンバーガー屋でお茶をし、いつものように本屋に行く。普通の中学生であれば平凡な休日の過ごし方なのに、ふたりにとっては新鮮そのものです。
ふたりの時間
帰りの電車で藤野に感謝を伝える京本。人が怖くなって学校に行けなくなった京本、遅くとも小学3年生の頃にはすでに不登校でした。当時彼女に一体なにがあったのでしょうか。。
しかし、今回の藤野とのデート(?)は心から楽しめたようで、今まで絵を描いていてよかった、と思えるほどのことでした。「お礼は10万でいいよ」とクールに言う藤野の照れ隠し。笑
藤野と京本はこれまで以上に漫画を描く事に集中していきます。元々、異なる才能を持っていたふたり。人物やストーリーを描くのが得意な藤野と背景画が天才的に上手な京本。足したらタツキ先生ですねえ。笑
時は一気に進み、高校生になったふたりは読切を7本描きあげて、その間も水族館や東京タワーへ行ったり、時は濃密に過ぎていきます。
別れの時
カフェで「高校を卒業したら連載をしよう」と勧める集英社の担当者。喜ぶ藤野はふと京本を見ますが、京本の表情を見て彼女の様子の違いをすぐに察します。
帰り道で、京本は連載の手伝いができないことを藤野に伝えます。理由は、美術の大学に行きたいから。藤野は初めは冷静にそれを聞き入れる装いをしますが、、、
藤野は京本に対して、現実の厳しさや人付き合いの苦手さをダシに明らかに美大に行く(離れる)ことを留めようとします。京本のことが心配だと言っていますが、本音はずっとこれからも作品を一緒に創って行きたかったからでしょう。
京本は、「一人の力で生きてみたいの・・」と藤野に言います。一人立ちしようとする子供を止めようとする親のような心境と束縛心もあるのでしょう。藤野は京本をあからさまにそれを否定します。
しばらく問答をして、とうとう泣いてしまった京本はなぜひとり立ちして美術大学に行きたいかを藤野に打ち明けます。それは、
「もっと絵、、、上手くなりたいもん・・・」
まとめ
中学と高校合わせてふたりの6年間が描かれた本シーン。初の共同作品である「メタルパレード」は45ページの読切で1年半をかけて完成しました。これがいきなりの準入選。総評ではレベルの高い背景画とまだ若々しいがストーリー構成を評価されました。
漫画を描く時も外に遊びに行く時もずっと同じ時を過ごした藤野と京本。青春を文字通り漫画一筋で過ごしたのです。一生に影響を与える濃い期間です。
今後もずっとこの時間が続くと藤野は思っていましたが、京本からの美術大学に行きたいという話で突然の別れがきました。京本は純粋な心でまだまだ自身の絵を上達させたかったのです。高校を卒業し、ふたりは別々の人生を歩む事になります。
ルックバック前半を終え折り返しの後半に入ります。続きます。
>>>>>次はコチラ!振り返りネタバレ④:突然の死
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